
せん断荷重下でアンカーが破壊する4つの形態

アンカーの破壊について、アンカーがどのようにして引張荷重時に破壊するかについての記事を読み、アンカーの方向に対して垂直な力が作用した時にアンカーにどのような現象が起こるか興味をお持ち頂いたと思います。
この記事では、せん断荷重時の破壊について理解を深め、次のアンカー設計において、いくつかのヒントをご紹介します。
1.せん断荷重下の鋼材破壊
アンカーの鋼材破壊について、アンカーサイズが小さい場合や、アンカーの留付けの数が不十分な場合、または使用する鋼材の強度不足が原因で、鋼材破壊が発生する可能性があります。耐力を増やすには、より高強度の鋼材を選択し、アンカーのサイズと数を増やします。一部のアンカー設計基準(欧州 EC 2-4 など)では、選択されたアンカー配置と限られた数のアンカーの設計のみ許可されていない基準もあります。ご了承下さい。多くの場合、設計者の判断をサポートする為に、上記の基準でカバーされていない一部の構成については、ヒルティ設計法を参照することができます。

2.曲げモーメントを起因とする鋼材の破壊
コンクリート表面から(時には接地パッドを介して)切り離され、浮かせ取付で固定されたアンカーは、曲げモーメントを起因とする鋼材のたわみを意味します。ここに一般的な規則はありません。スタンドオフアンカープレートアンカーの設計は、設計の標準的な使用法によって異なる場合があります。このため、このアプリケーションを扱うときは、専門家に問い合わせを行うことを強くお勧めします。(「質問」タブの Q&A にご連絡下さい)
設計において考慮すべき内容 浮かせ取付で固定された用途では、曲げモーメントを起因とするアンカーの鋼材破壊
3.コンクリート端部(へり)の破壊
せん断方向(横方向)のコンクリート端部破壊は、せん断荷重下でアンカーが端部(へり)に近い場合に発生する可能性があります。引張り荷重時でのコンクリートコーン端部破壊として、コーンの抵抗力は、主にコンクリートの強度や種類、コンクリートの状態(ひび割れ、またはひび割れなし)、およびアンカーが影響するコンクリートコーンの体積に依存します。主な設計基準では、端部に最も近いアンカーの最初の1列のみを考慮し全荷重をかけ、それを母材(コンクリート)に伝達することを基準としています。ご注意下さい。参考として、この破壊形態がアンカー設計の懸念要因となる場合は、アンカーの最初の列を端からさらに離して配置し、埋め込みの深さを増やします。アンカーがお互いに近い場合は、アンカー同士の間隔を広げます。
4.けあげ(蹴上げ)
コンクリートは、特に浅い埋め込みの場合、端部から遠くに離れた場所で破壊することがあります。この破壊を防ぐ為には、アンカーの埋め込みの深さ、または、影響するコンクリートの量を増やす(つまり、アンカー同士の間隔を広げる)ことで改善することができます。
この記事と引張荷重時における破壊形態についての記事をお読み頂いた後は、アンカーがどのようにして破壊するか理解を深めることができましたか。これらの事象は、複数の条件(静的、地震、火災、疲労など)でのアンカー設計のためのほとんどの国際規格で考慮されている破壊形態であり、荷重条件と上記条件の組み合わせの両方を確認する必要があります。詳細については、設計者・技術者向けトレーニング、ヒルティのウェビナーの視聴で確認頂くか、アンカー設計ソフトウェア(PROFIS エンジニアリング)を使用することで、ソフトに荷重条件と複数の条件を入力することで、規格に沿ったアンカーの設計を行うことができます。
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